マクロ美アンSachi

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通訳の種類〜工場通訳にはどんな仕事があるのか?

こんにちは。

マクロ美アンSachiです。

 

先日、自動車メーカーの工場で通訳を行い、4週間ほどの出張を終えて九州に戻ってまいりました。

会社によってもまちまちですが、私が今まで経験した工場内での通訳は、大きく分けて5つの種類がありました。今回は、その中のひとつ、研修生の受入教育と現場研修の通訳をしてまいりました。

私自身、国際会議の同時通訳ができるほど、高いレベルの通訳者ではありませんが、製造業での通訳に関しては約7年間の経験があり、特に、自動車業界については地道に実績を上げてきた経緯がありますので、なんらかのお役に立てるのではないかと思い、今回の記事をUPすることにしました。

工場系の通訳は、通訳初心者の入り口として、比較的入りやすい仕事ではないかと思います。特に現場研修などは、現場技能員と研修生の間の橋渡し役という感じで、基本的には、大人数の前でしゃべらなくても良いですし(朝礼時の自己紹介や、研修終了時の報告会などありますが。。。)、会議中のような緊張感もないですし、専門用語などは、都度確認して覚えていけば良いので、初心者の方にはオススメの仕事内容です。

 

ということで、今回は、主に通訳初心者の方や、製造業(主に自動車メーカー)で通訳として働きたい方を対象に、工場通訳にはどういったものがあるのか、具体的にご紹介していきたいと思います。 

この記事を読むことで、通訳への道をめざしてらっしゃる方の背中を押す手助けが、少しでもできれば。。。と願っております。

 

 

通訳の種類〜工場通訳にはどんな仕事があるのか?

f:id:macrobian_sachi:20200415082802j:plain初めての工場通訳体験

私は、長い間(合計すると10年以上になります)、海外添乗員として海外における観光地や、遺跡、博物館などで、現地英語ガイドの説明を日本人のお客様に通訳する。。。といったような仕事をしていましたが、プロとして通訳の経験はまったくありませんでした。

通訳の仕事に対しては、どこかであこがれみたいな気持ちを抱いていました。。。 

私が初めて、仕事としての通訳を経験したのは、 今から7年前。しかも、予期せず突然そのチャンスは舞い込んできました(というと、おおげさですが。。。笑)。 

登録派遣会社からの一斉メールで、地元のタイヤメーカー工場での通訳の話がきて、「これはチャンス!」と思い、気がついたらメール到着後1分以内に決断して返事を返していました(笑)。

当時、アメリカからの研修生が大勢来ていて、一度に20名近くの通訳が必要だとかで、素人の私でもタイミングよく採用されました。面接時に簡単な英会話でのやりとりがありました。

これが、私の初めての工場通訳スタート時の状況です。 

工場通訳の仕事内容とは? (自動車メーカーの場合)

では、工場通訳にはどのような仕事があるのでしょうか?

海外からの研修生受入時の通訳だけではなく、お客様や役員の方が来られた時に行うような工場視察時の通訳や、大小さまざまな会議など、いろいろな内容のものがあります。

私の知っている限りでは、工場系の通訳としては、主に英語・スペイン語・中国語・ベトナム語などの需要があるようです。 

以下は、その事例の一部です。細かく言うと、まだまだ違う内容のものもあるとは思いますが、大きくわけて以下の5つが、私が経験した工場通訳の仕事内容となります。

 

1) 工場視察/見学

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工場視察については、定義はいろいろあるとは思いますが、"Industrial visits"とか "Factory Inspection" などと呼ばれ、グループ会社や関連企業、本社からの役員などのグループが、国内外から工場訪問を行う際に、現場担当の方や現場責任者の方と一緒に、工場内を説明しながらまわるといったものです。 

役員レベルの方が来られる際には、結構、現場に緊張感が走るので、事前にシュミレーションしたりする場合もあります。(社内通訳でない単発通訳の場合ですと、ぶっつけ本番となるケースが多いと思います)

一方、工場見学については、"Plant Tour"などと呼ばれており、海外の研修生や技能員の方々が来られた際に、工場内での基本的な安全ルールなどと合わせて、工場内の関連ラインを見学してまわるといったものが一般的です。 

いずれの場合にも、工場内は機械の音などで声がさえぎられる場合が多いため、パナガイドなどワイヤレスの音声ガイドの機材を使うことになります。 

 

2) 海外研修生受入研修 および 現場研修

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通訳初心者の方にとって、一番入りやすい通訳が、海外研修生の受入現場研修に関わる通訳ではないかと思います。 

会社によっても違いますが、研修生たちは、最初の数日〜1週間くらいは、会社/工場の概要や安全ルール、基礎的知識の座学などの研修を行います。その後、各現場に配置され、現場のそれぞれのライン(プロセス)で実習を行うというのが一般的です。 

海外から来る研修生にとっても、日本の工場で働くこと自体、まったく初めてのことですし、日本の文化や生活をみんなでサポートしながら、現場での研修にのぞんでもらうわけですから、関係者の方々も非常に面倒見がよいといった印象です。

私たち通訳にも、とても親切に接してくださいますし、わからないことがあったらいつでも聞いてください。。。という姿勢ですので、通訳初心者にとっても非常にありがたい環境です。

ですので、私はいつでも通訳初心者の方には、工場での研修生受入の通訳をすすめています。

 

3) 試作車ライン

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試作車関連の通訳については、1社だけでの経験(社内通訳)しかないので、一般的な内容とは言い切れませんが、このような内容の通訳もあるのだということを、知っておくだけでよろしいかと思います。

車に詳しい方からすると、少々おおざっぱな内容かもしれませんが、私の認識では、海外で日本と同じモデルの車両を生産する前に、試作車専用ラインにおいて、日本人エンジニアとともに、生産国(スペインや中国など)の担当エンジニアが何名か来日し、数週間あるいは数ヶ月かけて試作車を作る過程で、技術的な問題や詳細スケジュールなどのミーティングが頻繁に行われ、現場作業でのエンジニア同士のやりとりが行われます。

また、Shopごとの評価会(不具合や問題などないか、車両を評価する会議)なども、合同で行われます。

そのような作業全般の通訳サポートを行うといった仕事内容となります。

プロのエンジニア同士のやりとりとなるので、専門用語がひんぱんに飛び交い、ミーティングなどの際には、かなり苦労し冷や汗タラタラといった苦い思い出が残っています。

 

4) ミーティング通訳(定例会議&テレカンファレンス含む)

ミーティング通訳には、毎日あるいは週ベースで行われる定例会議や、突発的に海外と行われるプレゼンなどを含むTV会議などがあります。

外国人が1~2名の場合は、横か後ろに座り、日→英をウィスパリング(ほぼ同時の小声)で通訳をしますが、英→日は逐次通訳で行うことが多いかと思います。

定例会議ですと、始めはよくわからなくても、何回か経験する度になんとなく流れもわかってきますし、毎回同じ方々の発言がほとんどとなり、発言者の言い回しのクセなどつかめてくるので、慣れると意外にラクに感じられます。

ただ、一時期、自動車メーカーのIT部門で社内通訳をしていた時には、日本語ですら意味がチンプンカンプンで、毎日が地獄の連続でした(笑)。

週1〜3回くらいのTV会議でしたが、その時ばかりはストレスが溜まりすぎて、3ヶ月の契約で終了してしまいました。。。(しかし、私にとっては大変良い経験になりました)

そういう時もありますので、自分のレベルにあった職場で、ストレスをためない程度にマイペースでやっていった方が、長続きするのではないかと思います。

 

5) グローバル会議

グローバル会議については、会社によっていろんなタイプの会議があると思いますので、一概には説明できませんが、年に数回、グループ会社が本社などに集まり(あるいはTV会議で参加し)、各グループ/支店ごとの計画や実績、プロジェクトなどについてプレゼンなどを行い、1日〜3日くらいかけて行う比較的大きな会議といったところでしょうか。

工場系の場合ですと、現場というよりは、オフィスに属する部門(開発、電装、ITなどの部門etc.)の方が、多いような気がします。

このような、グローバル会議については、だいたいの場合、事前にプレゼン資料がもらえる場合が多いのですが、担当者によっては当日もしくは直前にしかもらえないケースもあり、その場合はほとんどチェックができないので、ぶっつけ本番でかなりタフな通訳となります。

グローバル会議は、ほとんどの場合、10名前後もしくはそれ以上の場合が多く、結構緊張しますし、参加者の中には英語が堪能な方も多くいらっしゃるので、プレッシャーがかかるのは必至です。 

 

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まとめ

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今回、工場系の通訳について、私の経験からどんな内容の仕事があるか、ご紹介しましたが、少しは工場通訳のイメージは湧きましたでしょうか?

もし、工場系の通訳を考えていらっしゃるのであれば、まずはとっつきやすい研修生の受入研修からトライしてみてはいかがでしょうか?

そして、できれば同じ業界で社内通訳として1社でいろんな経験を積み、ミーティングや工場視察などを経て、フリーランスへステップアップという流れが一番スムーズだと思います。

 

上記の内容は、あくまでも私の通訳としての経験に基づいたものですので、違った観点からの考えもあるとは思いますが、迷ってらっしゃる方の参考になれば幸いです。

 

本日も、ご訪問いただきありがとうございました。

 

 

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